Newポケモンスナップ 個別ハイスコア初心者向け講座
はじめに
本稿は、『New ポケモンスナップ』で個別ハイスコアをやってみたいという方に向けて執筆した、初心者向けの個別ハイスコア実践入門記事です。
「個別ハイスコア」というのは、『New ポケモンスナップ』のハイスコアのなかでも、ひとつひとつの写真についてより高い点数を得ることを競うものです。写真加工をはじめ、ルートスコアやRTAなど数多くある本作のやり込み要素のひとつで、比較的プレイ人口も多いです。
本稿が取り扱うのは、個別ハイスコアを行う上で必要になる知識や技術についてです。現役の個別ハイスコア勢や最近復帰した方に対しても、個別ハイスコアについて学び直せるよう、情報を整理しました。
本稿の構成は、序盤で個別ハイスコアを行うための事前準備や、写真評価・撮影方法・アイテムなどの基礎知識を固め、中盤では情報収集の仕方や、ポーズ撮影法・半ズームなどの応用的な技術を紹介します。そして、終盤にはどのようにスコアを上げていくのかといったことや、実際にハイスコア写真の撮影方法を動画付きで載せています。
まず、基礎知識として何を知っておく必要があるのか。実力を上げるために、その知識や情報を応用してどういう技術を会得すれば良いのか、について記載することを目標としています。
本稿を通じて、ひとりでも多くの個別ハイスコア勢が増えることを願っています!
目次
個別ハイスコアとは何か
▲ ★3スイクン(画像はCyberScoreから / 撮影者: Wh0misDS氏)
執筆時点で個別ハイスコアの最高得点である写真。発売後しばらくは★4ウルガモスが最高得点を記録していたが、2022年8月に日本人プレイヤーのクロ氏によって★3スイクンに更新された。6900点以上は確認されていない(はず)。
「個別ハイスコア」では、作品内で撮影することができる写真ひとつひとつについて、より高得点の評価を得ることを目的とします。
本作では、「レンティル ポケモン自然科学研究所(L.E.N.S)」へ体験会に来た主人公が、舞台となるレンティル地方のポケモンや自然環境を調査・研究しているカガミ博士に依頼され、各島を訪れて島々に生息するポケモンを写真に撮ることになります。
撮影後は、写真から各ポケモンごとに1枚の写真を選出し、博士が作成した"特別システム"を用いて評価を受けます。この撮影と評価をサイクルを繰り返し、最終的に自分のポケモンフォト図鑑を作成することが目的となります。
個別ハイスコアでは、この図鑑に収めることになる写真(全部で936枚あります)一枚一枚ごとで高い評価を受ける(=高いスコアを獲得する)ことが目標となります。
936枚も撮れない、と思われるかもしれません。しかし、実情としては個別ハイスコア勢のなかには特定のポケモンや一部コースに生息しているポケモンだけ撮り続けている専門カメラマンもいますし、すべての写真で何かしらの記録を保持していない方が多いです。自分なりに納得できる記録を1つでも持つだけで、立派なハイスコア勢だと私は思っています。あんまり深刻にとらえなくて大丈夫です。
事前準備
はじめに、『New ポケモンスナップ』のハイスコアを行う際の環境と前提について説明します。
環境
以下が必要です。
- Nintendo Switch本体(Lite, 有機ELモデル含む)
- 『New ポケモンスナップ』(パッケージ版・ダウンロード版問わず)
以上。
ゲーム機本体とソフトがあればハイスコアはできます。普通にゲームをするときに用意するもので大丈夫です。特にレギュレーションはないかと思います(※チートなど不正なツールはもちろん使わない前提で話しています)。
ただ、ソフトバージョンについては、基本的に最新のもので大丈夫ですが、Ver.1.XとVer.2.Xでポケモンの行動にランダム性が追加されたり、一部スコアの変更が行われたりしたことが確認されています。これにより、Ver.1.Xでしか実現できないことが確認された構図があるため、本腰を入れて撮影するには更新を止めたパッケージ版の用意が必要になっています。
▲ "Ver.1.Xでしか実現できない"★4サメハダー(画像はCyberScoreから / 撮影者: Ausleze氏)
Ver.2.Xではポーズ点1000点のタイミングが変更されたため、この構図でこの点数を得ることができなくなりました。
任意になりますが、以下もあると良いでしょう。
- コントローラ(Proコントローラなど)
コントローラについても、本体やソフト同様に特別な制限はないと思います(あまり話題に上がったことがないので分かりませんが……)。私は気分でジョイコンを使ったりProコンを使ったりします。
前提
シナリオクリアはしておきたいです。
単にシナリオ攻略を通して操作に慣れていく以外にも、シナリオの進行によってコースやレベル、各種ギミック(後述)が順次解禁されていくためです。また、伝説・幻ポケモンたちはストーリーをクリアしないと出現しないようになっており、すべてのポケモンを写真に収めるためにはクリアしなければなりません。そんなに長いシナリオではないと思いますので、あらかじめクリアしておきましょう。
基礎知識
それでは、ハイスコアに挑戦する上で理解していないといけないスコア自体の採点仕様や、ゲーム内に登場するギミック、ポケモンの挙動などについて説明していきます。
ゲームの流れ
本作は、以下のような流れで進行します。
- コースとレベルを選択して撮影を開始する。
- ポケモンの撮影を行う(最高72枚)。
- カガミ博士に写真を提出する。
- カガミ博士から写真を評価してもらう。
①コースとレベルを選択
コース選択画面にて、撮影を行うコースとレベルを選択します。
コースを選択すると一番高いレベルが自動的に選択されますが、意図的にどのレベルで調査するかを選択することもできます。
②ネオワン号に乗りポケモンの撮影
ネオワン号に乗りながら、生息しているポケモンたちを撮影していきます。各コースにはゴール地点が設定されており、その地点に到達すると自動的にベースキャンプ帰ることになります。ほかに以下のことを行うとコースでの撮影を終了し、撮影した写真があると次工程へ進みます。
- 写真を最大枚数(72枚)撮影し終える。
- コース内でポーズメニューを開き、「博士に見せる」を選択する。
③博士に写真を提出
撮影した写真のなかから、博士に評価してもらう写真を各ポケモンごとに1枚ずつ選出します。
写真は手作業で選ぶこともできますが、マイナスボタンを押すと「おまかせ」で写真を一括で選ぶことができます。この「おまかせ」は通常プレイ時はとても便利ですが、個別ハイスコアではこの機能を使うことはありません。
なぜなら、「おまかせ」は必ずしも点数の高い写真を選ばないためです。どういう選定基準なのかは検証していないので分かりませんが、点数の高い写真を選ばないことは確かなので、基本的に使わないようにしましょう(n敗)。
それではどのように選ぶのかといえば、撮影した写真たちのなかからよりスコアが高そうな写真を見極めて選ぶか、そもそも撮影時にハイスコアになる瞬間を見極めて1枚だけ撮影します。
④博士からの評価
カガミ博士に選んだ写真の評価をしてもらいます。評価自体は博士が開発したシステムによってなされますが、この評価にはいくつかの評価基準が存在しています。
この評価基準については、下記「写真評価」にて説明していきます。
この、①コース・レベル選択→②撮影→③提出→④評価のサイクルを本作では繰り返していきます。
次に、評価での各基準について説明していきます。
写真評価
本作では、コースで撮影した写真について各ポケモンごとに1枚ずつ評価を受けることができます。個別ハイスコアでは、この評価でより高いスコアを獲得するのが目標です。この評価基準について解説します。
写真の評価には、以下の7つの基準があります。
- ★の数
- ポーズ
- 大きさ
- 向き
- 位置
- ほかのポケモン
- 風景
以下、それぞれ説明していきます。
※なお、写真評価については、実はゲーム内に公式が用意している説明があります。コースでの撮影中に[+]ボタンで「ポーズメニュー」を開き、「あそびかた」を選択すると確認できます。
① ★の数
概要
ポケモンの行動の カテゴリーを 示すよ。
★1~4 すべて 集めることが 大事だよ!――『Newポケモンスナップ』内の「あそびかた」より引用
本作の評価では、ポケモンの行動が★1から★4までの4つにカテゴライズされています*1。★が少ないほど普段の様子、★が多いほど珍しい様子になります。
なお、★はスコアに応じて銅・銀・金・ダイヤの4段階にグレードが変化しますが、ハイスコア的には関係ないため説明は省きます。
大まかな分類基準
★の数が少ないほど普段の様子、★の数が多いほど珍しい様子です。以下に★ごとの大まかな分類を記載します。ただ、同じ行動でもポケモンによって分類される★が異なるというのが実情です(現時点では、すべてのポケモンについて挙動を調査できているわけではありませんので、上記についてはあくまで傾向レベルの話として捉えておいてください)。
- ★1:よくある行動。リラックスしている様子など。
- ★2:比較的よくある行動。投げたリンゴが衝突した様子。周囲を警戒している様子など。
- ★3:比較的珍しい行動。
- ★4:珍しい行動。フラグ管理が必要なものが多い。
写り込むポケモンによる変化
先にポケモンの行動によって★は分類されていると書きましたが、実は同じ行動でも写し方によっては異なる★に分類されることがあります。下の写真を見てください。
これらの写真は、見てわかる通り、ほぼ同じ状況・タイミングで撮影したものですが、★の数が異なっています。状況としては、バトルをしていたカイロスとヘラクロスのもとにニンフィアが現れ、ニンフィアが出した波動によって"ハッピーなきぶん"になって喜んでいる場面です。
★が異なる要因は、状況を作り出したニンフィアにあります。この構図では、ニンフィアが写り込むと★4、ニンフィアが写り込まないと★3に変化するようになっています*2。
上記以外でも、このような複数のポケモンが絡む状況で特定のポケモンを入れないことで、★の数が変わるという事例はあります。つまり、複数のポケモンが絡んで起こる状況において、意図的に特定のポケモンを写り込ませないようにすると、異なる★にすることができるというわけです。
② ポーズ
概要
いいタイミングで 撮影できたかを 評価するよ!
――『Newポケモンスナップ』内の「あそびかた」より引用
ポケモンの行動にはそれぞれポーズ点が設定されています。
普通のポケモンの一番高いポーズ点は1000点で、伝説ポケモン・幻ポケモン・イルミナポケモン*3は、普通のポケモンと異なり最高点は2000点です。
▲ ★2ジュゴン。ポーズ点1000点の事例(筆者による撮影)。
▲ ★2ゼラオラ。ポーズ点2000点の事例(筆者による撮影)。
ポーズ点はすべてのポーズにおいて1000点or2000点が最高点となるのではなく、ポーズによって異なる満点が設定されています。ほかに950点、800点、500点などがあります(伝説・幻・イルミナは、1800点や1500点など、普通のポケモンに1000点を足した値になります)。
固定型と変動型
ポーズ点には動作中の得点が固定のものと変動するものの2パターンあります。本稿では、前者を「固定型」、後者を「変動型」と呼びます。
「固定型」は、ポーズの開始から終了するまでどのタイミングで撮影しても一貫して同じポーズ点になります。たとえば、寝ている姿(最高点:500点)を撮影した場合、寝ている最中はどのタイミングを撮影しても500点になります。
固定型ポーズの最高点には、500点のほかに750点や950点などがあります。
「変動型」は、ポーズ中の特定タイミングにそのポーズの最高点が設定されており、そのタイミングから離れるほど得点が下がっていきます。たとえば、大きくジャンプする姿(最高点:1000点)を撮影した場合、一番高くジャンプしたタイミングが1000点で、そこから離れるほど得点が下がっていきます。
変動型ポーズの最高点には、1000点のほかに800点などがあります。また、ポーズ開始時や終了時の点数は、図のように基本的に200点であることが多いですが、まれに199点になるときがあります。
▲ 固定750点の事例。撮影タイミングが異なるが同じポーズ点になっている(筆者による撮影)。
▲ 変動2000点の事例。左が満点タイミング前での撮影のため1965点になっている(筆者による撮影)。
③ 大きさ
概要
写ったポケモンの 大きさを 評価するよ!
――『Newポケモンスナップ』内の「あそびかた」より引用
主役のポケモンを写真に大きく写せているかが評価されます。
最高点はどのポケモンでも2000点です。基本的にポケモンの全身か顔を写真いっぱいに写せば2000点になります。
全身を写す場合、どのくらい基準で撮影すればいいのかについては、ポケモンごとに設定されており、余白を広く取っても大丈夫な場合もあればそうではない場合もあります(これに関しては、撮影していくなかで個々のポケモンごとに知識を蓄えていくほかないかなと思います)。
▲ コダック大きさ2000点の事例。体を写真いっぱいに写している(筆者による撮影)。
▲ クレベース大きさ2000点の事例。顔を大きく写している(筆者による撮影)。
▲ ヤトウモリ大きさ2000点の事例。明らかに小さく見えるが満点(筆者による撮影)。
写真から体が見切れていたり、りんごやほかのポケモン、草木などのオブジェクトが前面に重なっていたりすると、その見切れや重なり箇所分だけ減点されます。ただ、りんごを食べているときは、体の前面にりんごがあっても無視して採点されるなどの例外も確認されています。
④ 向き
概要
いい向きで 撮れているかを 評価するよ!
基本は 正面だけど 横顔が いいときもあるよ。――『Newポケモンスナップ』内の「あそびかた」より引用
顔の向きが真正面あるいは真横になっているかが評価されます。
最高点はどのポケモンでも1000点です。公式テキストの通り、基本的に真正面が満点となりますが、真横からの撮影でも満点となるポケモンもいます。ファミ通によるインタビューでも以下のように言及されています。
――確かに、プレイフィールは前作をしっかりと踏襲しつつ、体験としては新しいゲームですよね。ちなみに、ニンテンドウ64版『ポケモンスナップ』をプレイしていない方のためにも、改めて『New ポケモンスナップ』でいい写真を撮る方法を教えてください。
須崎 基本は、主役のポケモンを画面の中心にして大きく写すと高得点がもらえます。また、ポケモンの向きによっても点数が変わるので、なるべくこちらを向いている写真を撮るとさらに点数が高くなります。ですが、今回はポケモンの種類が増えたこともあり、向きについては例外が存在しています。
――それはおもしろいですね。
須崎 たとえば、ドデカバシは真正面からより、横から見たほうがなじみがあって魅力的ですよね。そうしたポケモンは、横向きに撮ることでも点数が高くなったりします。ほかにも横向きの評価が高いポケモンがいるので、実際にさまざまな角度から撮影して確かめてみてください。
――石原社長&須崎Dに聞く『New ポケモンスナップ』開発秘話。写真を撮ることがより手軽になった2021年、ゲームデザインは前作からどう進化したのか? より引用。太字は筆者によるもの。
ドデカバシのほかに、ダーテング、カクレオンなども横向きで満点が出ることを確認しています。
▲ ★1カクレオン。横向きで向き点1000点の事例(筆者による撮影)。
減点は、顔の向きが真正面ではない(横を向くに限らず、)ほど大きくなります。また、真横で満点にならないポケモンでは真横でも減点されます。また、ポケモンの高低差によるものでも減点対象となる。
⑤ 位置
概要
主役の 位置を 評価するよ!
基本は 中央に 写っていることかな。――『Newポケモンスナップ』内の「あそびかた」より引用
撮影時、中心にあるカーソルが主役となるポケモンの中心をとらえているかが評価されます。
最高点はどのポケモンでも1000点です。説明の通り、基本は写真の中央にポケモンが写っていると満点です。しかし、より具体的に説明するならば、ポケモン単体の位置点の場合、基本的にポケモンをロックオンしているときに表示される□(四角)にカーソルを当てると満点を得やすいです。
逆に、1000点をとれる場所(本稿では「位置中心」と表現します)からカーソルを当てた場所が離れるほど減点されます。
▲ ★3タブンネ(筆者による撮影)。上が撮影時の画面で□にカーソルを合わせている。
ただ、□以外にも位置中心は存在しています。位置中心は、基本的に胴体と頭部にそれぞれ一か所存在し、ポケモンによっては胴体・頭部以外の箇所にも存在します。
たとえば、以下の★2ママンボウでは、側面にあるヒレのような模様あたりに□が出て、実際そこに位置中心が設定されています。他方で、目頭のところにも位置中心が設定されており、そこにカーソルを合わせても満点を獲得できます。
▲ ★2ママンボウ(筆者による撮影)。上が撮影時の画面で□以外の場所にカーソルを合わせている。
これは、□が出ている箇所が胴体の位置中心で、目頭のところが頭部の位置中心であるためです。
複数個体の場合
上記では単体での位置点について説明しましたが、特定の複数個体を写す場合にはさらに異なる仕様が存在します。
複数個体でも単体時と同様に撮影すると満点を獲得することができますが、個体間を撮影することでも満点を獲得することができます。
▲ ★4ウルガモス(筆者による撮影)。両者の頭部間を撮影して位置点1000点を獲得している。
この複数個体は、どんな個体同士でもいいのではなく、何かしら同じイベントにかかわりのあるポケモン同士でないといけません。
⑥ ほかのポケモン
概要
主役と 一緒に ほかのポケモンが 写っていたら
スコアを 加点するよ!――『Newポケモンスナップ』内の「あそびかた」より引用
写真内に主役のポケモン以外のポケモンが写っている場合、そのポケモンの大きさやポーズ点などをもとに算出された得点が「ほかのポケモン」として加算されます(「ほかのポケモン点」という呼称が長いので、以下「仲間点」とします)。
仲間点は、ほかの評価基準のように最高点が設定されていません。そのため、できるだけポケモンを写真内に収めることで、点数を盛るだけ盛るのが基本となっています。
2種類の計算式
仲間点の計算式は、以下のものとされています。
(ポーズ+大きさ+向き)÷5
以下のビッパ2体が並んだ写真を題材に確認します。
▲ 旧★1ビッパ(筆者による撮影)。
両方ともまったく同じポーズ・大きさ・向きのビッパだと仮定すると、上記計算式にあてはめると「(500+2000+1000)÷5」で仲間点は「700」となります。この数値は、実際の仲間点と一致していることが分かると思います。
それではこの計算式をすべてに適用すれば良いのかといえば、そうではないことも分かっています。もうひとつの計算式は、以下のものとされています。
(ポーズ+大きさ+向き)÷50
以下の★1ツンベアーの構図を題材に確認します。
▲ ★1ツンベアー(筆者による撮影)。
この写真の主役はツンベアーですが、ツンベアーの後ろにウリムーが写り込んでいるのが分かるでしょうか。ほぼ同じ状況を再現してウリムーを主役にして撮影したのが以下の写真です。
▲ ★1ウリムー(筆者による撮影)。
このウリムーの点数をもとに計算式を適用して★1ツンベアーの写真におけるウリムーの仲間点を算出します。「(500+99+909)÷50」で仲間点は「30.16」となります。状況をほぼ再現したものですが、実際の仲間点30点とほぼ一致していることが分かると思います。
このように、仲間点の計算には2種類の計算式があることが理解できたかと思います。それでは、2種類の計算式のどちらが適用されるかの基準については、主役となっているポケモンと関連性のあるポケモンかどうかで区別されています。
「関連性のあるポケモン」というのは、例えるならば、「主役」に対する「脇役」なのか「エキストラ」なのかに依ります。
★1ビッパは、状況を説明すると、この2匹のビッパが一緒に歩いた後で撮影地点にて立ち止まり、主人公の方を見つめてきている状況です。この2匹は一緒に歩いたり見つめてきたりする、「関連性のあるポケモン」と言えます。そのため、片方を「主役」とした場合、もう片方が「脇役」と認識され、多い仲間点をもらえます。
他方で、★1ツンベアーは、同じく状況を説明すると、ツンベアーは子供のクマシュンを捜しているところで、後ろに写っているウリムーはツンベアーの後ろに隠れている木の根本にあるキノコを掘り出しに来ているところです。ビッパの事例と比較しても、両者が互いに「関連性」がないポケモンであることは明白だと思います。そのため、ウリムーはツンベアーを「主役」にして写したときに、偶然写り込んでしまった「エキストラ」として、少ない仲間点しかもらえません。
⑦ 風景
概要
スコアが 加点される 特別な風景が あるよ!
――『Newポケモンスナップ』内の「あそびかた」より引用
写真にコース内に設置されている特定の風景(オブジェクト)が写っていると、写っている分だけ得点が加算されます。基本的に大きく写っているほど加点されます。
フラワーの採点
フラワーは、全体が写っていれば最高225点を得られます。フラワーは他の風景と異なり、大きく写っても小さく写っても全体が写っていれば225点になります。
▲ ★4シキジカ(筆者による撮影)。近くにフラワーがあるが225点。
▲ ★2メガニウム(筆者による撮影)。上記と比べると遠く、だいぶ小さいが同じく225点。
しかし、写真内に3つ写した場合は、3つ分の得点が得られるのではなく2つ分までしか採点されず、3つ目は対象外となることが分かっています。
▲ ★4エレザード(筆者による撮影)。右側の写真はフラワーを3つ写しているが、450(225*2)点だ。ちなみに、左側の写真にも風景点がついているが、これは背景の竜巻によるもの。
風景点は、仲間点と異なり特定のオブジェクトに一定の得点が設定されているため、盛るだけ盛るということは難しいですが、基本的に入れられるものは入れるのが基本となります。
だいぶひとつひとつが長くなってしまいましたが、ここまで写真評価について基準の要点を説明してきました。
次は、被写体となるポケモンの特徴について説明します。
ポケモン
本作に登場するポケモンは234種です(Ver.2.0.1現在)。この234種のポケモンたちがレンティル地方の各コースに生息しており、それぞれが自由に暮らしています。本項では、そのポケモンたちについて説明していきます。
コースによる変化
レンティル地方に生息するポケモンたちは、多様な自然環境を持つ島々でその生態に適したエリアで暮らしています。そのため、全15エリア30コースそれぞれで登場するポケモンが異なり、ビビヨンやコイキングのように複数のコースに登場するポケモンがいる一方で、フラージェスやエアームドのように特定のコースでのみ登場するポケモンもいます。
調査レベルによる変化
ポケモンは、調査レベルによって行動パターンに変化が起きます。レベル1や2でしか見られない光景というのが、少なからず確認されています。実際、ハイスコア構図のなかには低い調査レベルでのみ撮影できるものというのが存在しています。
ハイスコアを行う上では、その構図が撮影された調査レベルはどこなのかを確認する必要があります。また、特定のポケモンについて調査するときは、レベルを下げて確認することもあります。
ランダムモーション
ポケモンたちは、自由行動をしているときにいくつかの行動をランダムで行います。そのランダムでしか行わない行動がポケモンの種類ごとに用意されており、そうした行動を「ランダムモーション」と呼びます。
▲ コース「ベースキャンプ」にいるポケモンのランダムモーションを集めている動画
こうしたランダムモーションは、ランダムなだけあり稀少な行動です。運が悪いとまったく見ることができないため、本作をクリアしたという人でも一度も見ないままだったものもあると思います。
稀少ゆえランダムモーションにはポーズ点が高く設定されているものが多く、実際ハイスコア写真にはこのランダムモーションによるものが少なくありません。
4787の動画 pic.twitter.com/UXg2gF4aai
— をる (@_woru_) 2021年10月27日
▲ ★1フワンテ。この横に揺れる行動がランダムモーション。
なお、このランダムモーションはVer.1.XとVer.2.X間で大幅に強化が加えられたとされています。Ver.1.Xでは特定の行動しか行わない、ある意味では機械的に動くポケモンが、Ver.2.Xではランダムモーションが追加され、より生きているような動きをするようになったと言われています。
性別差
本作のポケモンは、固有のポケモン*4や性別不定のポケモン以外のポケモンは、リトライするたびに何故か性別がランダムで変わります。まったく同じ行動パターンをする同じポケモンなのに、撮影を行うたびに性別が変わります。
なぜ撮影しに行くたびに同じポケモンの性別が変わるのかは謎ですが、レンティル地方では変わるものなので受け入れるしかありません。ただ、個別ハイスコアで問題となってくるのは、その性別の変化により決定的に変わる点です。
ポケモンには性別によって姿が異なるポケモンがいますが、本作でもその性別差は存在しています。そのなかでも、そのポケモンに身体的特徴に差が出る場合は、個別ハイスコアでは大きさ点や仲間点に影響を与えるため、性別の厳選を行う必要が出てきます。
▲ 旧★1レントラー(筆者による撮影)。
レントラーは、オスのたてがみがメスに比べて大きいのが特徴です。この★1レントラーの場合、被写体は奥のレントラーのため、できるだけ大きく写ってくれるオスの個体が理想で、手前の個体は奥の個体を削らず、自身も写真からほとんどはみ出さないようなメスの個体が理想です。
この2体は、奥オス・手前メス以外に、奥オス・手前オス、奥メス・手前オス・奥メス・手前メスの全パターンがあります。そのため、練習も兼ねてリトライを繰り返して撮影を何度も行っていくことになります。
こうした性別差は、細微なものも含めれば、ウパーやエイパムなどにあり、複数の構図に大なり小なりの影響を与えています。
ポケモンについて説明しました。しかし、ただ見ているだけで得られるポケモンの様子は、ごく限られたものになります。しかし、主人公はネオワン号でポケモンが暮らしている世界を見て回ることができ、いくつかのアイテムを用いることでその行動に変化をもたらすことができます。
次からは、撮影に用いるギミックたち、カメラ、ネオワン号、アイテムについて見ていきましょう。
操作方法
▲ ゲーム内の「あそびかた」から引用。
「撮影」「ズーム」「ポインタ操作/カメラ操作」「振り向き」は「カメラ」にて、「ターボ」は「ネオワン号」にて、「ふわりんご」「イルミナオーブ」「サーチ」「メロディ」は「アイテム」にて解説を行います。
なお、設定からデフォルトの設定をふくめた4種類のキーコンフィグが用意されているので、お好みで選択してください。私はデフォルト設定(上記画像の設定)のままで操作しています。以降の操作関連の話も基本的にデフォルト設定を前提として記載しています。
カメラ
まずは、撮影に欠かせないカメラについてです。
このカメラは[A]ボタン(設定によっては[R]ボタン)で撮影、[L]ボタンでズーム、[L]スティックや[R]スティックでカメラの向きやポインタの位置を操作(ポインタ操作/カメラ操作)することができます。また、十字キーで前・横・後ろに振り向くことができます。
この「撮影」「ズーム」「ポインタ操作/カメラ操作」「振り向き」について解説していきます。
撮影
カメラで被写体を撮影し、写真を撮れます。
また、設定の「連写モード」から連写させるかどうか、連写させる場合に何枚の連写にするかを選択することができます。連写モードは「なし」「3枚」「4枚」「6枚」から選択することができ、「なし」だと連写を行いません(1枚だけ撮影する)。
ズーム
被写体を拡大することができます。ズーム時には、ポインタがある位置を中心にしてズームする仕様があります。
実際のカメラだとズームの微調整が可能だったり倍率が指定できたりができるかと思いますが、本作のカメラはズームなしの状態と完全にズームした状態でしか固定できません。
ズーム中はズームなしのときと同じように撮影したり視点をスティックで移動させたりすることができます。後述のりんごやオーブを投げることも可能です。
ズームなしから完全にズームした状態、またはその逆の状態になるまでには1秒ほど(※体感)かけて行われます。
ポインタ操作/カメラ操作
これら操作の移動速度は設定から10段階で選択することができます。また、動く方向を上下や左右をスティック操作と逆にすることも可能です。私は速度を上げてリバースはなしにしています。
ズームしたり振り向きをしたりすると、ポインタは自動的に中央へ戻ります。
完全にズームした状態では、ポインタは真ん中に固定されるため、ポインタ操作は行うことができません。カメラ操作は行うことができますが、動作は遅くなります。
ポインタが動くことで意図しないポケモンが主役判定されてしまうことを嫌い、[L]スティックが「カメラ操作」のみ、[R]スティックが「ポインタ操作/カメラ操作」になるキーコングである「設定3」を使用している方もいるそうです。
また、片方のスティックだけを動かして視点移動するより両方のスティックを同時に動かして視点移動する方が速く動かすことができる仕様があります。この両方のスティックを使用した視点移動は結構使用機会が多いので理解しておくと良いかと思います。
振り向き
十字キーの各ボタンを押すことで、上記のポインタ操作/カメラ操作よりも速く一定の視点移動を行うことができます。前作『ポケモンスナップ』におけるCボタンユニットでの視点変更のようなものです。
この操作は操作説明には記載があるのですが、作中で特に触れられていないようで、結構知られていないみたいです。
十字キー上:真正面を向く
ボタンを押した時点の視点から真正面へ視点が移動していきます。なお、上や下を見ている場合、目線の高さ(デフォルトの高さ)に戻されます。
十字キー左右:真横に向く
十字キー左右は、真横を向きます。
ボタンを押した時点の視点から90度右あるいは左へ視点が移動していきます。なお、上や下を見ている場合、目線の高さ(デフォルトの高さ)に戻されます。
十字キー下:背後を見る
十字キー下は、真後ろを見ることができます。なお、上や下を見ている場合、目線の高さ(デフォルトの高さ)に戻されます。また、十字キー上や左右のときと異なり、視点が移動するのではなく、瞬間的に背後へ視点が切り替わります。
アイテム
ふわりんご
舞台となるレンティル地方で収穫される果物で、甘くて美味しいのが特徴です。ポケモンたちの好物で、与えると食べて喜ぶ姿が撮影できたり、りんごを点々と置いていくことでポケモンを誘導することができたりします。また、不運にもポケモンに当たってしまったときは、ポケモンが怯んだり怒ったりする姿を撮影できます。
りんごは主人公側から視線の向いている方向へ投げられます。なお、通常の状態でりんごを投げるのと、ズームしながらりんごを投げるのとでは挙動が異なります。これは公式で発表されているものです。
須崎 細かいテクニックですが、(中略)ふわりんごのように投げるどうぐは、ズーム中に投げることで飛距離が少し伸びるので、遠くに投げたいときはズームしながら投げてみてください。ぜひズーム機能やどうぐを活用して、ポケモンたちのいろいろな側面を見ていただきたいです。
――石原社長&須崎Dに聞く『New ポケモンスナップ』開発秘話。写真を撮ることがより手軽になった2021年、ゲームデザインは前作からどう進化したのか? より引用。太字と省略は筆者によるもの。
ズームしながら投げることは「遠投」とよく表現されるため、本稿でもそのようにします。また、遠投したりんごは遠投していないときと比較して、地面などに接触したときの跳ね返りがより大きくなります。
イルミナオーブ
カガミ博士が開発した特殊な球体で、何かしらの物体に接触するとその場で分解されます。りんごと同じく、主人公側から視線の向いている方向へ投げられます。このオーブを「イルミナフラワー」と呼ばれる花やポケモンに当てることで、フラワーやポケモンが「イルミナ状態」になります(こうした事象は「イルミナ現象」と呼ばれる)。このイルミナ状態になったフラワーやポケモンは発光し、ポケモンによっては特殊な行動をすることがあります。
りんごと同じ投げる道具です。りんごとは投げたときの挙動は少し異なっており、オーブの方がやや軽いのか、落下速度が遅くやや遠くまで飛んでいく傾向があります。
メロディ
いつでもどこでも音楽を鳴らします。これにより、眠っているポケモンが起きるなどの反応を見ることができます。ほかにもメロディを聞かせることがイベントのフラグとなることもあります。
サーチ
周囲を分析できる電波を一定範囲に発し、隠れているポケモンや怪しい場所を発見することができます。それによって、コースの分岐を発見することができたり、特定のオブジェクトの解説を見ることができます。
また、このサーチの音や電波にポケモンが反応することがあります。個別ハイスコア的には、こちらの方が重要だったりします。
ネオワン号
主人公は、ネオワン号という乗り物に乗って調査を行います。ネオワン号は、基本的にあらかじめ決められたルートを一定速度で進んでいきます。360度周囲を見渡すことができ、撮影を行えます。
移動速度
ネオワン号は、ストーリーを進めるとターボをかけることができるようになります。ターボをかけることで、通常時よりも速く移動することができます。
加速とは反対に、ネオワン号には減速させる方法もあり、これは2種類あります。左右や後ろを見ることで減速させる方法と、カメラをズームさせることで減速させる方法です。
ネオワン号は、前を見ている場合を100とすると、横向きで85、後ろ向きで70ぐらいに速度が低下します。他方で、ズームしているときはしていないときと比べて70ぐらいに減速しています。この向きによる減速とズーム機能による減速は重ね合わせが可能とされており、ズームしながら後ろを向いていると、何もせず前を向いているときと比べて半分くらいの速度になるとされています。
このうち、ズーム機能による減速については、写真評価のところでも引用したインタビューでも、撮影テクニックとして触れられています。
須崎 細かいテクニックですが、ズーム機能を使っているあいだはネオワン号(主人公が写真を撮影する際に乗る乗り物)の移動速度が少しだけ遅くなります。ふつうに進むと撮り逃してしまうシーンも、これを利用すれば撮影できる可能性があるので、タイミングの調整に使ってみてください。(後略)
――石原社長&須崎Dに聞く『New ポケモンスナップ』開発秘話。写真を撮ることがより手軽になった2021年、ゲームデザインは前作からどう進化したのか? より引用。太字と省略は筆者によるもの。
この減速については、複数の方が検証しているため、動画をそれぞれ貼っておきます。
左右移動(ドリフト)
ネオワン号は特定の道を進んでいきますが、この道にはある程度の幅が存在しています。ネオワン号は、この決められた道幅のなかを進みながら横移動することが可能です。
ネオワン号は、主人公が進路右側を向くと右側へ、進路左側を向くと左側へ寄せていく性質があります。この性質を、海外勢は"Drift(ドリフト)"と呼んでいます。日本勢は特にこの性質に対して呼称はつけていません。ただ、個別ハイスコアに関するコメントで「右寄せ」「左寄せ」というように言われていたら、この性質を利用して右/左にネオワン号を動かすことを指しています。
実際に右寄せ・左寄せをしたときの比較画像を以下に貼ります。
▲ ビーチ昼での検証。筆者による撮影・加工。
一番上がスタートしてから何も操作しなかったとき、真ん中がスタート直後に左90度横を向いた後何も操作せずにナッシーまで到達したとき、一番下がスタート直後に右90度横を向いた後何も操作せずにナッシーまで到達したときの画像です。
何も操作しなかったときと比較して、明らかに左あるいは右にネオワン号が移動しているのが見て分かるかと思います。
写真評価など基本的なことについて説明しました。いざ撮影を行ってみようと思うかもしれませんが、それでは何を撮影すれば良いのでしょうか?
情報収集
発売から一年以上が経過した本作についてのハイスコア研究は、現在でも複数の人たちによって行われ続けています。これまで多くの写真について調査・研究が行われ、たくさんのハイスコアを撮影できる写真の構図が生まれてきました。
現在でもまったく新しい構図が生まれることはありますが、それぞれの写真にハイスコアを撮影できる構図というのは限られています。その構図の情報を得たうえで撮影に臨むのか、それらを知らずに闇雲に一から撮影に臨むのかでは大きく異なります。
せっかく先人たちが残してくれた研究成果があるのですから有効活用する以外に手はありません。
次からは、ハイスコア情報の収集方法やハイスコアを行う環境について解説していきたいと思います。
CyberScore
ゲーム内には図鑑の総合スコアやルートスコアのランキングはありますが、個別の写真についてはランキングがありません。そのため、多くのハイスコア勢は記録を"CyberScore(サイバースコア)"という海外記録サイトに登録しています。
ページ右上にある「Game language(ゲームの言語)」を「日本語」に変更するとページが、フッターにある「Site language(言語)」を「日本語」に変更するとサイト自体が(ほぼ)日本語化します。2つとも変更しておきましょう。
なお、一部のページを確認したり記録を登録したりするには、CyberScoreにユーザ登録しないといけません。ユーザ登録から記録の登録までの流れについては、わかりやすく解説されている動画がありますので、以下を確認してください。
Discord
Discordサーバですが日本鯖だけで2つあります。そのうち、私が管理人(≠鯖主)を務めている方の招待リンクを以下に貼っておきます。
各ポケモンごとにハイスコア情報を共有し、後々見返せるように整理しています。ハイスコアをやっていきたい方は是非どうぞ(過去に報じられた事案を鑑み、投稿するにはロールか電話認証が必要です。ご了承ください)。
なお、海外鯖もありますが、ここでは紹介しません。
日本人プレイヤーはたいていTwitterでも日々情報共有を行っています。実情として、情報やハイスコア写真がCyberScoreやDiscordよりも先に出てきやすいです。スコアラーを発見したらフォローするなりリストに入れるなりすると良いと思います。
なお、日本のポケスナ勢は各写真のことを「★1ピチュー」のように呼びますが、この呼び方に表記ゆれ*5があるため、検索条件に多少の工夫が必要です。
Twitterで情報を検索する際は、「(★ OR ☆ OR 星)1 ピチュー」のように検索すると良いです*6。
撮影技術
ここまでハイスコアの基本的な内容、ハイスコアの基礎知識や情報の収集方法について説明してきました。
ここからはようやく応用的な内容、撮影技術の説明を行います。
ポーズ撮影法
現在のハイスコア界隈において、必須テクニックレベルで用いられているのが「ポーズ撮影法」*7です。
撮影中、Switchの[+]ボタンを押すことで「ポーズメニュー」を開くことができますが、この「ポーズ」によってゲーム内の時間を止めることで、ハイスコア写真の撮影を容易にするテクニックです。この撮影方法によるメリットとしては、変動ポーズ点のタイミングや位置点の調整、素早く動くポケモンの撮影が容易になります。
やり方としては、[+]ボタンを連打することでポーズメニューを出したり閉じたりし、ゲーム内の時間をコマ送りのようにし、撮影したい任意のタイミングでポーズを解除し、撮影を行います。
以下の動画は、実際に私がポーズ撮影法を行い、ハイスコア記録を出したときの動画です。
撮影するタイミングで何度もポーズメニューを表示させて調整を行っているのが確認できると思います。
コダックの方は、川に流されながらの撮影のため自然と照準が右方向へ流されてしまうため、ポーズ撮影を用いてカーソルの位置を微調整しています。また、仲間点を上げるために後ろのエイパムが最後に手を上げたタイミングで撮影できるよう、タイミングの調整も行っています。
ダーテングの方も同じで、□にカーソルを合わせつつ、変動ポーズ点が高いタイミングで撮影できるように、それらの調整を容易にするためポーズ撮影を用いています。
このテクニックについて、世界ランカーのCHANRYO氏による解説動画もありますので、ぜひ確認してみてください。
R撮影
ポーズ撮影に付随するテクニックとして、「R撮影」というものがあります。テクニックとしては、撮影に使うボタンを初期状態の[A]ではなく[R]にするという単純なものです。撮影ボタンを[R]にするのは、ボタンコンフィグを「設定2」か「設定4」にすることでできます*8。
R撮影は、単体で意味があるテクニックではなく、ポーズ撮影の精度を上げるために用いられるテクニックです。
ポーズ撮影は、先述の通り、[+]ボタンを連打したのち撮影ボタンを押します。ただ、この撮影ボタンが[A]ボタンの場合、ボタン配置の都合上、どちらも右手親指で押すのが一般的です。このため、[+]ボタンを押してポーズを解除したあとで、撮影のため[A]ボタンを押すとき親指を移動させるので、撮影に多少のラグが発生してしまいます。このラグをできるだけなくすことを意図して使われるようになったのがR撮影です。
[R]ボタンは配置的に右手人差し指で押すため、ひとつの指にふたつの役割を持たせる必要がなく、ふたつの指に役割を分担させることができます。これにより、指を移動させるため発生するラグをなくすことができることが最大のメリットです。
半ズーム
次は「半ズーム」*9というテクニックです。このテクニックも頻繁に使用されるテクニックのひとつで、上記ポーズ撮影法の動画後半でも「拘ってハイスコアを狙う方には必須技術」と紹介されています。
完全にズームした状態では近すぎて、ズームをしないと大きさ点が確保できない。そういう場合に、ズーム中あるいはズーム解除中に撮影することで、ちょうどいい大きさで撮影することができます。先のポーズ撮影法がポーズ点や位置点の調整に用いられるのに対し、こちらは主に大きさ点の調整に用いられます。
この半ズームについても、普通に行うとタイミングよく撮影ボタンを押すという反射神経が問われるような実用的でないものになってしまいます。そのため、ポーズ撮影法を活用することで、任意のズーム状態で撮影できるようにするのが一般的です。
やり方としては、完全にズームした状態でポーズメニューを開き、ズームボタンを離します。そうするとポーズメニューを閉じたタイミングからズーム解除が開始するようになります。このままポーズ撮影を行うことで、ズーム解除がコマ送りになるため、任意のタイミングで撮影を行うことができます。
実践
撮影技術を学んだら、実際に撮影の練習を行ってみましょう!
勝手ながら、私の方で練習用の写真を選出させていただきました。撮影技術は座学だけでなく実践で身につけるのが一番の近道です。
(※もしこの記事を閲覧してくださったハイスコア勢の方がいましたら、撮影技術を練習しやすい、撮影難易度の低い写真をご教示ください。)
旧★1ピチュー
撮影コース | 公園(昼)レベル3 |
ポーズ点 | 変動型。 1000点満点(ジャンプの頂点)。 |
大きさ | 2000点満点。 |
向き | 1000点満点。 だが980点前後しか出ない。 |
位置 | 1000点満点。 |
仲間 | サルノリ(★1、固定型500点満点) 460~480点台。 |
この構図について
この構図では、被写体であるピチューを大きく撮影し、ポーズ撮影法を用いて、ポーズのタイミングと位置の調整を練習することが目的です。向きと仲間点は振れ幅が大きいので、今回はいったん忘れましょう。
なぜ私がこの写真を今回最初の写真として紹介するかというと、この写真が誘導不要で撮影が行えること、加えてステージ開始直後に撮影できてリトライしやすいからです。初めて行うことですから、すぐに撮影できて何度も挑戦できるものを最初に行うのが良いと思います。撮影自体は30秒以内に終わると思います。
なお、タイトルに「旧」とついているのは、この記事を執筆している2021年11月に新構図が提出され、構図が更新されたためです。
撮影方法
撮影方法は上記に掲載した動画の通りですので、真似して撮影してみましょう!
撮影方法:スタート直後、進路にこちらに向かってジャンプをしているピチューがいます。そのピチューがする最後の大きなジャンプで一番高くなるタイミングをズーム状態で撮影します。
おわりに
ここまで読んでくださりありがとうございます。書いているうちに結構な長文となってしまい、ちょっとした論文レベルになってしまいました。
今回は、はっきりとしていなかったり疑義が残っていたりする内容はできるだけ避け、基本的にハイスコア界隈でコンセンサスのとれている内容を記載するようにしました。ただ、私自身まったく未熟なハイスコア勢ですので、内容に不正確な箇所や不足している説明があるかもしれません。一方で、公開後に新たな仕様が発見されたり技術が開発されたりする可能性もあります。そうした場合は、適宜内容を加筆修正していくつもりです。よろしくお願いいたします。
また、最後になりますが、本記事は「ポケモンスナップ Advent Calendar 2021」15日目の投稿です。参加させていただき、ありがとうございました!
見つけにいこう 自分だけの一瞬!
引用・参考
- 『New ポケモンスナップ』公式サイト
- 石原社長&須崎Dに聞く『New ポケモンスナップ』開発秘話。写真を撮ることがより手軽になった2021年、ゲームデザインは前作からどう進化したのか? | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com
- New ポケモンスナップ学会とは - ニコニコ大百科
改版履歴
- 2021-12-15: 初版公開
- 2021-12-16: 不要なCSS・テキストを削除 (v1.0.1)、ポケモン名の誤りを修正 (v1.0.2)
- 2021-12-20: フラワーの風景点が「255点」となっていた箇所を「225点」に修正 (v1.0.3)
- 2021-12-29: 強調のための文字色を深緑から橙へ変更。細かい表現を修正 (v1.0.4)
- 2021-12-30: ツイートで貼り付けていた画像を他と引用形式に統一 (v1.0.5)
- 2022-01-14: 「操作方法」「カメラ」を追加、「はじめに」「撮影技術」を加筆修正 (v.1.1.0)
- 2021-08-03: 位置中心が頭と体以外にもあることを明示 (v.1.1.1)
- 2022-10-23: 最高得点画像を差し替え、「R撮影」を追加 (v.1.2.0)
*1:例外的にビビヨンのみ羽の模様によって星が振り分けられています
*2:この「写り込む」と判断される要因については、現時点での私なりの考えはありますが反証も示されており、議論が尽くされていません。不確定な内容のため、本稿では記載しません。
*3:メガニウム、ミロカロス、ヨワシ、ウルガモス、ハガネール、ゼルネアスの6種
*5:「星1ピチュー」「☆1ピチュー」など。海外勢は"Pichu 1"のように呼称
*6:海外勢のものも範囲に入れたい場合は、「((☆ OR ★ OR 星)1 ピチュー) OR Pichu 1」のようにすれば良い
*7:はっきりと名称は定められていません。ほかに「ポーズバッファ(おそらく海外勢の呼称"Pause Buffering"に由来)」「ポーズ連打撮影」などとも呼ばれます。
*8:一応、Switch本体の設定でボランの割り当てを変えることでも可能です
*9:海外勢の呼称もそのまま"Half-Zoom"